リードバイス



物を加工する時、第三の手があるととっても加工効率が良くなります(^^)
で、お手伝いさんに材料をしっかりと保持してもらって、サンダーやジグソーなん
かで加工すれば・・・

いや、生身の人間に第三の手をお願いするのはちょっとリスクが伴いますよね。そ
れに、握力にも限界があります。

そこで登場するのが万力(バイス)です。万力はお手伝いさんの様に文句を言いま
せんから(^^)

高校(機械科でした)の卒業作品として製作した万力はあるのですが、工作に使う
にはちょっと非力な物なのです。

そこで工作用として開口幅が広くてしっかり加工物を保持出来るリードバイスを購
入してみました。

リードバイスの価格帯はピンキリで、価格がモロに品質と比例します。ここは、実
際の利用に見合った物を選択すべきです。高価なリードバイスは、そりゃもう精度
や動き等はピカイチですが、年に1−2度しか利用しない様なら邪魔でもあります
絶対元も取れませんし。

自分の場合は、あくまでも第三の手なんで精度も動きも度外視出来るので、5千円
以内のリードバイスを探してヤフオクで購入しました。一応ワケアリとのコメント
付きでしたが、新品です。

それでは、購入したリードバイスを紹介します。

いつもながら下手くそな絵でごめんなさい。
美術の成績良くなかったもので^^;

で、上の形の万力をベンチバイスと呼びます。
高校時代に製作した万力はこのタイプです(^^)

作業台に挟んで設置する物で、小型の物が多い
です。100均とかにもありますね(^^)

構造上大きな物を挟むことが難しく、締め付け
力も小さいです。でもこのタイプの万力もあれ
ば、なにかと便利ですよ(^^)


で、今回購入したのが下の形の物で、リードバ
イスと呼ばれる物です。

この万力は、作業台に穴を開けてボルトで固定
して設置するタイプで、脱着は考慮されません

その代わり大型の物が多く、大きな物を挟むこ
とが出来、締め付け力も大きいです。


他にも木工バイスや他の種類もあるんですが、
ここでは割愛させて下さい^^;
これが今回購入した安価なリードバイスです。
呼びサイズは100ミリです。

呼びサイズとはあご幅のことですが、だいたい
呼びサイズ近くまでは開きます。

叩き加工が出来るアンビルが付いています。ま
た回転座付きなので、360°自由な角度に向
きを変えることが出来ます。

固定穴は3箇所のタイプでした。
早速外見をチェック。イヤー予想通り、いやそれ以上かも知れません。仕上げが殆ど無いに等し
い品質です。アンビル表面はそれなりに平滑にはされていますが、他の箇所は鋳物の型から外し
てそのまんまって感じです。

メインハンドルの両端は、袋ナットでコストダウンされている様ですが、ハンドル操作中に緩ん
で来て外れてしまうレベル。

回転座固定用のハンドルも強度が疑問で、いつか曲がってしまいそうです。

あごの噛み合わせも不完全で、全閉でも1mm程度の隙間が片側に残ります。

メインハンドルの動きも引っかかる感じでスムースさには程遠いものです。

以上のことからも、プロ仕様では決してなくDIYそれも素人向けの商品の様ですね。

販売価格5000円以下の商品は、全てこのレベルのリードバイスです。

とは言うものの、第三の手位いには役に立ってくれると思います。
ハンドル部です。

ねじシャフト端面は通常なら旋盤加工されてシ
ャフトに対して直角で平面に仕上げられている
ものですが、材料をカットしたままの様で、斜
めになったままです^^;

コストダウンの為ですかね。ここは体裁だけで
機能的には何ら問題の無い所ですから。

ハンドル両端には袋ナットが付けられています
が緩んで外れてしまうので、ネジロック剤を塗
って締め直しました。

ハンドルの強度も疑問ですね。曲がってしまわ
なければ良いですが・・・
ねじシャフト部です。端面にセンタ穴が加工さ
れていたので、両持ちで旋盤加工されているこ
とには違いないと思います。

ねじ加工も旋盤で行われた様で、結構バリが生
じていました。回転時の滑らかさは得られない
ですね^^;

切削油不足か、バイトの劣化か、旋盤の回転速
度不適か・・・

まあねじ形状は一応台形ねじの様だったので、
三角ねじでは無かった分安心です。
裏面です。

見えない所は無塗装なんで、在庫中に錆びてし
まった様ですね。まっ問題になるレベルではあ
りませんが。

回転座表面も無仕上げに近い状態なので、まる
で石臼を回す様な感じです^^;

本体も回転座も勿論鋳物です。
ねじシャフトの回転をあごの動きに変換する部
位です。

ナットに相当する様なプロックが、本体にボル
トで固定されています。

このブロックもまた鋳物製です。通常なら力の
かかる所なので、鋳物以外の金属を切削加工し
て作る所でしょうが、コストダウンの為か、鋳
物で作られている様です。

あまり強く締めると、このブロックが割れてし
まうと言うクチコミが多いのも事実です。
このブロックを固定しているボルトもゆるゆるでした。緩いままで使うと無理がかかり更に割れ
易くなってしまいます。ここもネジロック剤を塗って締め直しました。

ちなみにこのブロックが割れるとリードバイスはただの粗大ゴミとなりますのて、大きな力での
締め付けはしない様にしないといけません^^;
ねじシャフトの抜け止め部です。

この手のリードバイスはみんなこの方法ですね
なんでバネなんでしょう???

材料を挟んだ時、バネ力がサポートする・・・
なんて構造でもないですし・・・

やはりこの構造の方がコストダウンに向いてい
たのでしょうかね?^^;
写真だと分かりづらいので、絵にしてみました

青が稼働側のボディです。
グレーはハンドル部とねじシャフトです。

標準では上の様に、ピンクのバネで緑の平ワッ
シャーにテンションを与えたまま、赤の割りピ
ンで止められている構造です。

バネでテンションがかけられているのと、バネ
端面が平滑に加工されていないので、ハンドル
を回すと重さとカクカク感が出てしまうんです
ね。

ここは改良の余地がありそうです。

下の様にバネをスリーブに変えてしまうことで
す。そして割りピンからネジ・ナットとすれば
耐久性も上がりそうです。

テンションがなくなる分、ハンドルの重さは軽
減出来るしカクカク感も無くなると思います。
あと、スライド面が塗装されてしまっていたので、スライドの動きが悪くなっていました。
スライド部をヤスリで研磨してグリースを塗布しました。

ねじシャフトもグリースが変質している様だったので、パーツクリーナーで清掃した後、グリー
スを塗り直しました。

回転座面も塗装されていた為、ヤスリで研磨してからグリースを塗りました。

この手のリードバイスは、使用前に一度分解して平滑処理と給油、各部の状態確認をする必要が
ありそうです。
バイス台を製作しました。勿論手作りです。

本来は鉄骨等を使って工作するみたいですが、
メチャ重となって収納出来なくなりますので、
木製としました。

材料は全て2X4材を使い、コースレッドで組
み立てました。

バイスは、M10ボルト3本でガッチリ固定し
ています。

木肌のままでも良かったんですが、屋外保管な
んで腐食防止の為塗装(ハケ塗り)しています

どうせ汚れるので黒で。
ペイントは多用途水性塗料を使いました。

重さは全部で10kg程ありますので、良い感
じです(^^)