駆動系オーバーホール



中古車ゆえ、前オーナーがやっていたとは思えない駆動系のオーバーホールを
しました。

消耗部品とグリースの入替えを行い、ついでにウエイトローラーの重さも軽く
してみました。

既に外してしまいましたが(^^ゞ

ドリブン側プーリーAssyです。

今回はここのオーバーホールがメインになりま
す。

低走行車だったので、グリースも劣化している
のでは?と考えたからです。

走り過ぎも走らな過ぎも油脂類は劣化するので
まずは真ん中の大きなナットを外しますが、強
力なバネを押さえているナットなので、普通に
外すと鉄の塊がアゴを直撃することになります

膝、手でしっかり押さえつつナットを緩めます
角の無い特殊なナットですが、41mmのソケ
ットでイケます。

自分は12角ソケットですが、出来れば6角の
ソケット使用をお薦めします。

自分はエアーインパクトレンチで緩めるきっか
けを作り、あとは手で回して外します。
ナットが外れたらゆっくり膝と手の力を弱めて
いくとこんな感じになります。
センタースプリングです。
両端がL字に曲げられています。それぞれ相手
側に穴があり、そこにはまっていました。
滑らない様にしてワザと捻り作用を与えている
感じです。
サビが多かったので、ワイヤーブラシで軽く掃
除した後、サビ転換剤を塗っておきました。
シートを外すんですが、硬くて外れなかったの
でマイナスドライバーで下側を軽くこじって外
しました。

ただのカバーですので、捻りながら上へ引っ張
れば外れます。

シートは薄い金属製ですので絶対変形させない
ように注意しましょう。
シートを外したらこんな感じ。グリースが大分
溶けていてユルユルです。
一見グレーでモリブデングリースに見えますが
元は普通のリチウムグリースです。

間違ってもモリブデングリースを使ってはいけ
ません。削れてしまいます。

モリブデングリースは極圧性があると言われる
ことからついこの様な負荷の掛かる場所へ使い
たくなるんですが、極圧とは、プレスとか重機
の軸受などをさす言葉です。バイク整備ではリ
チウムグリースとシリコーングリースで殆ど済
みます。

まぁ自分の場合は、耐熱性のあるウレア系グリ
ースを使っていますけど(^^)

グリースを拭き取って3箇所のピンをラジペン
で摘んで抜きます。
フェイスが外れました。
今回は消耗品であるオイルシールとOリング
(各2個ずつ)を交換します。
オイルシールは固いので、マイナスドライバー
で内側をこじって外します。フェイズ側に傷を
付けない様に。
ガスケット・Oリングを外して掃除しました。
溝は丁寧に掃除しましょう。異物があると切れ
てしまいます。

しかし・・・トルクカムの溝の形、見たことが
ない直角三角形をしています。
大抵は「ヘ」の字をしているんですが、まさか
三角だったとは・・・どんな動きをするんでし
ょう?
今回準備しておいたオイルシールとOリングで
す。この様な類を付ける前に、薄くシリコーン
グリースを塗るのはお約束です。

滑りを良くして装着時の捻れを防止するのと、
ゴムの弾性を維持させる目的があります。
オイルシールは固い材質なんで指先だけではう
まく入りません。

そこで少し指で入れてから外したオイルシール
を重ねて木ハン等で叩いて入れます。
フェスイ面より若干沈んだ所で装着完了です。

軸の通る穴の中間位置内側に凹んだ部位がある
ので、平らになる位いまでグリースを詰めてお
きます。
ピンは分割式です。前車125ccスクーター
では一体型でしたが。

グリースを塗って組みます。スペーサーがロー
ラー代わりになるみたいです。
ピンをセットしたらトルクカムの溝をグリース
で埋めます。ここをケチると変速トラブルに至
ります。(経験談)

一見抵抗になりそうですが、余剰圧力がかかっ
たグリースは、抜け穴から内側へ逃げる構造と
なっているので、心配無用です(^^)

本当はOリングの間に塗るんですが、ついハミ
出してしまいました(^^ゞ ハミ出たグリース
は、拭き取っておきます。
続いてクラッチをオーバーホールします。

自分の形式からクラッチジャダー解消の目的で
3枚シューから5枚シューのものに仕様変更さ
れています。

まず各ピンに付けられているEリングを外しま
す。飛んで行かない様に指先で押さえながら抜
きます。
リングプレートを外すとこんな感じです。
ちなみにリングプレートには裏表があります。
間違えないとは思いますが・・・(^^ゞ

クラッチ内部の部品単体で部品供給はありませ
ん。よってたったひとつ部品がダメになっても
クラッチごとの交換になります。
クラッチの分解完了です。

組み付ける際は、クラッチピンに薄くグリース
を塗り、ダンパーゴムには薄くシリコーングリ
ースを塗りました。

この措置は、自分オリジナル施工なんで、マネ
するかしないかはアナタ次第です(^^)
スカブのクラッチスプリングです。
特に専用の強化クラッチスプリングは無い様な
ので、いつかの為にサイズを計測しておきまし
た。

汎用品があればいいな。

※サイズに正確性はありません。
最近クラッチジャダーを感じ始めていました。
やはりクラッチシュー表面が平滑になっていた
ので研磨して脱脂しました。勿論本体も洗浄し
ました。

左:研磨後  右:研磨前
分解したついでにウエイトローラーの重さを変
えてみました。

初回25gx6個(150g)にして発進・加
速とも良好になったんですが、最高速が落ち燃
費も20km/lを切る勢いだったので、27
gx6個(162g)にして今まで乗っていま
した。燃費は25km/lに復活して全体的に
メリハリがついて良い感じだったんですが、加
速がモノ足りず・・・

で今回、中間狙いで25gx3+27gx3
(156g)にしてみました。

しばらく乗って見てまた検討したいと思います