ブレーキフルード交換



マスターカップの点検窓から見えるフルードが大分褐色化していたので、納車後
初となるブレーキフルードの交換をしました。

スクーターはハンドルの左右にマスターカップが付いているので、前輪は何とか
一人で出来ても、後輪は不可能に近いです。

本日は、家族不在で「お手伝いさん」を確保出来なかったので、エアーブレーキ
ブリーダーを使って作業しました。やはり道具を使うと早いですね(^^)

バイクのブレーキフルードは大抵DOT4指定
です。

今回はホームセンターにあったモノを1L缶で
買いました。

古河薬品工業製です。
ブレーキフルード交換に必須なのがこれです。
バケツに入れた「水」(^^)

ブレーキフルードは激しく塗装面を劣化させて
しまいます。こぼれたらすぐ洗い流せる様にし
ておきましょう。

ちなみに事前に垂れそうなところを濡らしてお
くのも手段です(^^)

ブレーキフルードはとても良く水分を吸収する
性質があるので、水で希釈することで無害化す
ることが可能です。
マスターカップに補充し易いように洗瓶に小分
けしました。

強く押すと細かな泡が混入してしまいますので
ゆっくり押します。

注ぎ終わっても口から垂れるのでウエスを当て
て垂れない様にします。


ちなみに使っている洗瓶は、250cc容器の
タイプです。
かなり茶色かったです^^;

通常ですとスポイト等でマスターカップ内の古
いフルードを空になる一歩手前まで抜き、新し
いフルードを入れてからホース内に残っている
フルードをレバーをニギニギしながら抜いて行
くんですが、今回は前述した通りエアーブレー
キブリーダーを使うので、このまま作業しちゃ
います^^;
まずキャリパーのブリードニップルを閉めたま
まエアーブレーキブリーダーを作動させ、チュ
ーブが負圧で潰れるまで真空状態を作った後、
ブレーキフルードが出てくるギリギリのところ
まで開けます。この時ブリードニップルを開け
過ぎるとエアーを吸ってしまいますので注意し
ます。

時々マスターカップ内の残量を確認し、ブレー
キフルード面が空になる手前で吸引を停止しま
す。

エアーブレーキブリーダーを停止する時は、エ
アーブレーキブリーダーを作動させたままキャ
リパーのブリードニップルをしっかり締めた後
で停止させます。

マスターカップにブレーキフルードを減っては
入れを2~3回繰り返し、古いブレーキフルー
ドが抜け新しいブレーキフルードと入れ替われ
ば作業は完了です。
ブレーキフルードを規定量入れて交換作業は完
了です。

綺麗になりました(^^)

DOT4は、DOT3より沸点は高いのですが
比例して吸湿性が高くなりますので、年に1度
は点検口を覗いて色を確認してみましょう(^^)



補 足
エアーブレーキブリーダーは、キャブレターや
霧吹きに似た構造をしています。液体を吸う代
わりに容器内の空気を吸うことで、容器内を負
圧に出来ます。
但しただの筒(ベンチュリ管)なんで、エアー
を通し続けないと負圧は維持されません。エア
ーを止めると排気側から大気圧が逆流し容器内
は大気圧に戻ります。

以上のことから作動中は多量のエアーを消費し
ますので、空気源はそれなりの容量が必要とな
ります。
※ベンチュリに関してはココを参考にして下さ
 い。
エアーブレーキブリーダーに最初から付いてい
たゴムキャップは、キャリパのブリーダニップ
ルとの接続が緩く真空を維持出来ないのでブレ
ーキフルードが吸えないと言う代物でした^^;

なので、ゴムキャップを外してシリコーンチュ
ーブだけにして、途中に逆流防止のワンウェイ
バルブを付けて使用しています。
新品のブレーキフルードは無色に近いですが、
劣化が進んで来ると茶色方向へ色が変わって行
きます。

劣化の要因としては温度、摩擦、酸化、吸湿な
どがある様です。しかし単に色が変化しても制
動には問題は無いんですが、キャリパーピスト
ンやシールに錆や亀裂などの障害を与える可能
性が出て来ます。また湿度が多くなって来ると
摩擦熱でブレーキフルードが沸騰し易くなりベ
ーパーロック現象によってブレーキが効かなく
なる場合もあります。なので2年毎の交換は必
要です。