フロントベアリング交換


「さ〜て、今日も頑張って行ってみよぉ〜」と心に叫びながらバイクカバーを取ると
エンジン下にオイルジミの跡が! 早朝からテンションガタ落ちです><

下を覗くとエンジン下部がビショビショです^_^; 時間もないので取り敢えず会社ま
で走行したけど、特に漏れが酷くなっている様子もなくチョット安心。で駐輪場で良
く見てみると、とうとう来ました我がコマジェにも!お決まりのベーガス漏れです。
走行は1万3千kmチョットでした。

このオイル漏れが酷くなると、カムシャフト側にオイルが行かなくなり、最悪カムが
焼き付く恐れがありますので、早めに修理をお勧めします。自分はなんだかんだ2日
60km程このままで乗っていましたが・・・

多くのオーナー様が経験し修理しているこの症例。自分でやるか、修理に出すか…
ちなみに、修理に出すと1日入院コースで工賃だけでも4万前後するみたい!
で、部品代を調べてみると、ナント2千円でお釣りが来る程度… こりゃ4万なんて
出してらんねーゾってことで自分で直すことに決定しました。

工具は揃っているし、整備マニュアル(英文だけど)もある。あとはやる気と勇気だ
け(^^)

なんせ、エンジンを分解したことなんて皆無なんですもの^_^;

とにかく短期間で色々自習しました。←仕事もこうであって欲しい…(^_^;)

コマジェは、4stの水冷なんで面倒そうです。普通スクーターはエンジンを車体か
ら切り離して作業するのが一般的みたいですが、コマジェはエンジン前部が広く空い
ているので、車体に乗せたまま分解が可能みたいです。(腰上作業のみ)

木曜日に発見して、その日の夜にガスケットを注文。土曜の昼過ぎにようやく納品で
した^_^;

え〜と、冒頭にも書きましたが、なんせエンジン分解初体験だったので、あまり写真を撮る余
裕がありませんでした(^_^;)

文面が多いですが、所々想像して下さい(^_^;)
おもらしの状態です(^_^;)

ちょっと見難いですが、右側(マフラー側)か
らの漏れ量が多いです。

エンジン下部に伝わってドロドロです。

更にセンタースタンドにも伝わって、地面に染
みが残る様です。
まずは、エンジンが丸見えになるまで外装と燃
料タンクなどを外します。

いつものことながら結構大変です(^_^;)。それ
に比べてネイキッド車はラクですよねー丸見え
なんだもん(^^)

でやっと丸見えになったエンジン。確かに作業
スペースは広いです(^^)

この後、冷却水を抜きました。
届いたガスケットです。

上がベースガスケット(ベーガス)で、クラン
クケースと、シリンダーの間に付きます。今回
はこのガスケット不良によって漏れが発生しま
した。

右の輪郭が書かれている所が、オイル流路の蓋
になる部分で、別にキリトリ線ではありません
(^_^;)

何度も整備したくない人は、このガスケットを
アルミ板に写してキリトリ、両面に液体パッキ
ンを塗って使う人も居るみたいです。

この厚みを変えても圧縮比は変更出来ますが、
当然純正部品なので、圧縮比は変更ありません。

部品番号が変更されていて、色も青から黒に変
わっています。クレーム対策なのでしょうか?

下はシリンダーヘッド側のガスケットです。見
た目ゴムの様に見えますが、実際は薄い金属板
のプレス加工品を2枚重ねてハトメで止められ
ています。

ガスケット両面に薄くエンジンオイルを塗って
から取り付けました。
お〜シリンダーヘッドが取れました(^^)

ピストンの状態も悪くありませんでした。
地が見える程度のカーボン汚れでした。

インジェクションは、燃調が薄いのであまりカ
ーボンは溜まらないらしいです(^^)

タイミングチェーンには針金を結び落下防止策
を講じました(^^)
燃焼室の状態も良い感じでした。
もっと真っ黒かなーと思っていたんですが、意
外と綺麗でした。

黒いちょっと大きなバルブがインテーク側、白
く小さいバルブがエグゾースト側です。

でチョコっと顔を出しているのが、スパークプ
ラグです。

燃調が大分薄いですね。これじゃアフターも鳴
るわなぁ〜

これでも結構濃い目に調整しているんですが…
シリンダーの下側(ベース)です。
予想通り、オイル流路のある右側のガスケット
が溶けています… これじゃ漏れちゃうよねー
(^_^;)

シリンダー内面の下方に小さな打痕が1つあり
ました。指でなぞっても分かるほど。
組んだ時のものでしょうか? でも上方でない
ので、そんなに問題は無いかもしれませんが、
いつかは、シリンダー交換も視野に入れないと
まぁ160ccに上げると言う作戦もあります
が(^_^;)

かなり強固にガスケットが張り付いていて取る
のが大変でした。ガスケットリムーバーを吹こ
うかとも考えましたが、シリンダー外面の黒塗
装に影響を及ぼすので止めておきました(^_^;)

今までは青のガスケットですが、新しいのは品
番変更されていて黒いガスケットになりました。
耐久性UPしていると良いけれど…
で、出来事が少し(^_^;)

ピストンの根元にゴミが落ちないようにウエスを突っ込んでおいたんですが、取る時にウエス
の奥にあった大きなガスケット片が落下してしまいました。Σ(゚д゚lll)ガーン

まぁ、ピッカーを使って取れる大きさだったから良かったけど、これがもし小さなビスだった
としたら・・・恐ろしいです(TдT)

ココは本当気をつけないとダメですね。

シリンダーへのピストンセットが大変そうに思っていましたが、意外と簡単に入りました。で
もスカートまで全部入った所でストップ。入って行きません。仕方なく木ハンでシリンダーを
均等に軽く叩きながら入れました。

一番苦労したのが、カムスプロケにタイミングチェーンをセットする時でした。なかなかスプ
ロケにチェーンが掛からなくて…

クランク側を娘に押さえておいてもらって、カムスプロケを固定しました。二人居るとタイミ
ング位置合わせは楽ですね(^^)

組んでからソッとクランクを手で回してみました。取り敢えず1回転回して問題のないことを
確認。キックも操作してみましたが、圧縮感もあり引っ掛かりなどの違和感もなかったので冷
却水を入れてエンジンスタート。マフラーから黒煙が一瞬ボワって出て元気に回りました。

ヤッター ワーイヽ(゚∀゚)メ(゚∀゚)メ(゚∀゚)ノワーイ 初体験で成功。嬉しかったです(^^)

冷却水のエアー抜きを兼ねてアイドリングを続けましたが、問題は無い様でオイル漏れも無く
なりました(^^)

作業中クランクケース内にガスケットの破片とか、パーツクリーナーの混合とかがあったと思
うので、オイル交換もしました。やはり粉状のガスケット片と微量ですがクーラントも出て来
ました(^_^;)

暫くアイドリングと、何度か煽ってみましたが、オイル漏れもなく綺麗です(^^)

これでまた1万キロ走れるかな(^^)


コマジェのシリンダーの絵を書いてみました。実際とは全然違いますが、こんな感じで
す。

カムシャフトへのオイルは、クランクシャフトへ行くオイルラインからオリフィスで分
岐されクランクケース側に掘られた溝に沿って上部に上がり、ヘッド固定用のスタッド
ボルトホールを登りカムシャフトへ届く様になっています。

カムシャフトの潤滑が終わったオイルは、タイミングチェーンを潤滑しながら、チェー
ンホール内を通って落下し、オイルパンに戻ります。

でっ、この細い溝の蓋をするのも同じ面のガスケットなんです。この部分は、オイルが
直にガスケット表面と接触する部分で、圧力と流速が加わる所です。ガスケットの大半
は気密保持をしている一方で、蓋役をしている部分もあるので、だんだんガスケットは
膨潤して行き、やがて溶けて無くなって今回の様なオイル漏れが発生します。

これが、コマジェのオイル漏れ持病の流れだと思います。

今回ガスケットの素材が変わっている様なので、もしかするとメーカーで問題点を把握
して、改善をしたのかも知れませんね。

もう漏らないと良いな・・・正直面倒だから(^_^;)


今回の初作業での反省・・・
 作業前にエンジン周りを洗っておきましょう(^_^;)
 分解する時、ゴミが落ちます↓↓↓