ブローバイガスの開放



エンジンのブローバイガスを大気開放して、クランクケース内の昇圧を抑えてみま
した。

前提の話として、この施工は環境に宜しくないことであり、本来してはならないこ
とです。

但し、125cc位いまでは、ブローバイガスの発生量は微量で、環境汚染の要因
とはなるものの、原因にまではならない様です。産業用汎用エンジンもブローバイ
ガスを大気開放としているものもあることから、大丈夫かな?^^;と思ってやって
しまいました(´Д`υ)))ポリポリ

ブローバイガスを大気開放することは、エンジン側から見るとメリットは大きい様
です。

まず、油分を含んだブローバイガスがエアークリーナーに戻らなくなるので、エア
ーフィルターや、スロットルのタール汚れが減少します。
コマジェのFI車は、スロットルの汚れは大敵でして、少しのカーボン付着でアイ
ドリングなどのレスポンスが悪化してしまいます^^;

小排気量、単気筒エンジンでは、エンジンオイルの容量が1リットル前後と少ない
為、エンジンオイルの余計な汚れ混入が減少します。

また、クランケースの内圧が発生しなくなるので、ピストン動作のフリクションロ
スが減り結果レスポンスが良くなります。

エンジンの行程別に考えてみました。

元々ブローバイガスはシリンダー内のガスが、
圧縮または爆発時の圧力で、ピストンリングの
切り欠きを伝い、クランクケース側へ抜けてし
まったガスのことです。

そのガスを吸気側へ戻して再燃焼させているの
ですが、単気筒エンジンの場合、ブローバイガ
スが発生している時は当然吸気バルブは閉じて
いますので、エアークリーナーボックスへ戻し
ても行き場が無く、エアーフィルターを逆流し
て大気開放になってしまいます。

エアーフィルターが汚れるのは、このことから
と推測されます。
吸気行程では、吸気ラインに負圧が生じますの
で、ブローバイガスは吸入されますが、この時
に吸われたとしても、前行程で大半は大気開放
されてしまっているので、余り意味がありませ
ん。しかし、実際にはエンジンは高速で動いて
いますので、全く戻らない訳でもなく、3捨て
て2吸うみたいな感じでしょうか?

排気行程では、クランクケース内が負圧になる
ので、大気が導かれることになります。

大気の湿気、ゴミなどが戻ることになるので、
本来なら途中に逆止弁を入れる方が良いかも知
れません

このことから、産業用の汎用単気筒エンジンで
は、ブローバイガスを回収しないものがあるの
かも知れません。意味ないことにコストは掛け
られないと思うので。

尚、多気筒エンジンでは、別の行程で吸気して
くれるので、ブローバイガスは回収されます。

以上の考察から、ブローバスガスの大気開放で
効果が得られるのは、単気筒エンジンの場合と
なります。
ブローバイガスを大気開放する為に購入したの
がこのブローバイチャンバーと言われる物で、
TW系用の小型タイプを選択しました。
あとモンキー系用の更に小さい物もある様です

今回購入した物は、ワケアリのB級品らしく通
常出品価格帯より大分安価に入手出来ました。

見た目の問題は無いんですが、部品の中心が出
ていなかったりと、製作ミスがメインの様です
しかし、機能的には何ら問題なくオールステン
レス製と言うこともあり光沢もあって良い物で
した。

本体付属のタケノコは、Φ7mmで、ネジ規格
は管用並行ネジ1/8でした。

コマジェのブローバイ出口は、Φ9mmなので
付属のメッシュホースΦ6mmは使えませんで
した。

取り付けステーの開口サイズは、Φ8mmとΦ
10mmです。
取り付け箇所は、エアークリーナーボックス上
としました。

フレームを開口しM8とM10のネジを加工し
ました。

ホームセンターにM10のネジが少なく、六角
穴付きのステンレスネジがあったので、それに
合わせてM8も六角穴付きのステンレスネジに
しました。

開口周囲は錆止めの為、自動車用のブラックタ
ッチアップペイントを塗っておきました。


最初はフレームにボルトを貫通させてナットで
取り付けようと思いましたが、フレームでもあ
り強度不足となることが心配だったので、この
方法を取りました。
本体付属のタケノコです。
ネジサイズは、管用並行ネジ1/8でタケノコ
外径はΦ7mmでした。
コマジェのブローバイ出口径はΦ9mmなので
そのサイズにタケノコを変更しました。
管用並行ネジ1/8→管用テーパーネジ1/8、管用テーパーネジ1/8→管用テーパーネジ
1/4、管用テーパーネジ1/4タケノコ(Φ9mm)
取り付け完了しました(^^)

メッシュビニールホースは、内径Φ8mmの物
を使いました。

六角穴付きネジは、平座金とバネ座金を介し更
にネジ緩み止め剤を塗布してから締め付けまし
た。

エンジンを始動したら、ほのかにパフパフとブ
ローバイガスが出ていました。

確かにこの量ではそんなに深刻な大気汚染にな
るレベルでは無いなと感じました^^;
エアークリーナーボックス側の接続口は、タッ
ピングネジを入れて蓋をしました。
カウルを取り付けました。本体の殆どがカウル
内に隠れてしまうので、一見分かりません(^^)
補足

今回の施工で、純正のブローバイホースを外しましたが、結構オイルミストで内部が濡れてい
ました。

今後、このミスト分が戻らなくなるので、吸気ラインの汚れ付着は少なくなる期待が持てます
(^^)