日頃D.I.Y.で行っている自動車整備。中でもタイヤ交換や硬く締まったボルト・ナット を外す時に活躍するのが、エアーインパクトレンチです。 空気が膨張する時の力を回転力に変え、途中にあるハンマー機構を経由してボルト・ナットを 外したり締めたりするエアーツールのひとつです。 購入してから内部の状況を確認していなかったので、勉強兼ねて分解整備をすることにしまし た。 結論から先に言うと、分解整備は必要と思います。またすることで寿命を延ばせます。 メーカーは違っても、構造はそんなに違わないと思うので、参考にしてみて下さい。 あっ、いつものお願いだけど、くれぐれも自己責任で。 自信のない方はしない方が良いです(^。^;) |
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これが愛用しているエアーインパクトレンチです。 ボディは傷が多いデス(T.T) 別に投げたりはしてないんですが、地面が砂利な もので(^。^;) トルクは4段階に可変出来ます。 使用時は、エアーフィルター、ミストセパレータ ー、オイラーを使用しているので、内部の錆や水 分はないハズです(^。^;) |
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エアーインパクトレンチの分解は、本体後方から 抜き出していくことになります。 エンドプレートを外して一番最初に見えるのがエ アーモーターと呼ばれる部分で、ここでエアーを 受け、中心軸を回転させます。 写真ではケーシングとローターに隙間があるので エアーが漏れてしまう様に思われますが、ロータ ーが回転すると遠心力でブレードが飛び出しライ ナー内面と密着し確実な回転力が得られます。 格安品はこのブレードの数が少ないらしいです。 2枚のものもあるとか・・・。 自分のは6枚モノでした(^。^;)ホッ |
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エアーインパクトレンチ本体の内部です。グリス が焼けて褐色になっています。 パーツクリーナーとウエスでキレイに拭きます。 下にある2つの穴は、エアーモーターを回し終え たエアーの排気口です。 |
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エアーインパクトレンチの心臓部とも言えるハン マー部です。 グリスがベットリ。パーツクリーナーとウエスで 古いグリスを良く拭き取ります。 ハンマー部だけあって、どの部品も重いです。 結構過酷に使っていましたが、爪部に欠けや摩耗 はなく綺麗でした。 |
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ハンマー部はこんな感じに組まれます。 ※仮組なのでグリス塗ってません。 本組の時は各所にグリスを塗ります。 |
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エアーモーターのライナーです。 製造時のホーン加工跡か、ブレードが付けたと思 われる円周方向に細かい線傷がありますが、油膜 によって埋められるレベルで問題なさそうです。 エアー配管途中にフィルターを設けないと、異物 により大きな傷が付いてしまう恐れがあります。 ここに傷が出来るとエアーがリークしてしまい、 正規な回転力が得られず能力低下となってしまい ます。 ここはグリスの無い部分なので、掃除は簡単です。 |
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エアーモーターのローター部とブレードです。 ブレードは底部が湾曲になっていて軸方向に自由 が利く様になっています。材質は樹脂製です。 スプライン部がハンマー部に接続されます。 ブレードの接触面に目立った傷等はありませんで した。 ブレードの表面の汚れを丁寧に拭き取ります。 ローターもパーツクリーナーとウエスで傷を付け ない様に慎重に(^。^;) |
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ブレードはローターの溝に入っているだけでスプ リングとかはありません。遠心力によって飛び出 るしくみです。 ※仮組なのでオイル塗ってません。 本組の時はしっかりオイルを塗ります。 |
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エアーモーター前後にセットされるプレートです。 汚れたグリスと埃が付着しています。 ベアリングになるべくパーツクリーナーを付着さ せない様に周囲をウエスで拭き取ります。 ベアリングの溝に、グリスを塗り込みます。 ベアリングはスムースに回転し問題ありませんで した。 |
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その他の小物部品です。 回転方向切り替えシャフトや、トルク変換バルブ、 各種取り付けビス類です。 こちらもパーツクリーナーを使って古い油分を拭 き取ります。 小さな部品やバネがあるので紛失に注意しましょ う(^。^;) |
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シートパッキンです。 特に破れ等もないですが、基本は新品交換です。 でも今回は再利用(^。^;) 部品だけ取れるのかなぁ〜?有名ツールメーカー 製ならともかく・・・ |
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エンドプレートです。表面はこんな感じですが、 裏面は複雑な構造となっていました。 特に、ビスの当たる面は綺麗に・・・。 砂塵が挟まると正規な締め付けが出来ません。 良く拭いて綺麗にしましょう(^^) |
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組み付けに使う油脂です。 左は、シリコーングリスで、Oリング部や樹脂 ブレード面、シートパッキン部に使いました。 中央は、万能グリスで粘度#2の一般的リチウ ムグリスです。 右は、主にエアーモーター組み付け時に使用す るエアーツールオイルです。少しドロとした液 状オイルです。 これらの油脂を適正な量塗って組立てます。 |
組み立てた後、更に本体横にある給油口からエアーツールオイルを軸を回しながら多めに 入れて数分間静止します。その後、エアーを通して試運転を行います。 内部の余分なオイルが排気口から吹き出るのでウエス等で覆ってから行います。 くれぐれも回転軸にウエスが絡まない様に注意します。 試運転後、ボルト・ナットの締め、外しを各トルク設定で行いましたが、バッチリでした (^^) |