リチウムイオン電池の調整



VOLTAGAのインパクトレンチを久々に使おうとしたら電池残量が2個ともゼロ!
リチウムイオン電池も自然に減るんですね(^_^;)

充電器にセットすると、数分で充電完了ランプが点灯。普通、数時間はかかるのに
・・・で、充電された電池ケースは冷たいまま・・・

電池に付いている残量スイッチを押すと、4個中3個しか点灯しません。

この電池をインパクトレンチに取り付けてホイールナットを外そうとしましたがト
ルク不足で緩まず、数分で電池切れになります。

再度充電しても同じことの繰り返し・・・

えっ、もう電池ダメになったの? 早っ!><

でもこれ、ある状態から発生する症状みたいで・・・

VOLTAGAインパクトレンチに付属している20V電
池パックです。容量の表記はありません。


この手のバッテリーは、色々なメーカーから発
売されていて、KIMO製工具等とも共用できます
まずは満充電電池と並列接続して強制充電を10
分程度しましたが変化なし・・・
ケースから電池ユニットを取り出しました。

18650のリチウムイオン電池が5本直列に接続さ
れています。3.7V 2000mAhです。

特に異常箇所が無いので、1本ずつ電圧を確認
してみると、2本だけが4.0Vと満充電状態で残
りは3.88V程度でした。合計すると19.96Vしか
ありません。

リチウムイオン電池の満充電電圧は4.0〜4.1V
放電状態は2.5〜3.0Vです。

2本だけ満充電なので、即充電完了判定になる
みたいです。

電池交換作業は難しいし発火の危険性もあるの
で、満充電の電池を低い電圧の電池に近くなる
まで放電してみることにしました。
放電に使ったのが電子負荷装置です。

任意の電流で放電出来、放電終了電圧も0.1V単
位で設定できます。

電圧の低い電池の電圧に終止電圧を設定すれば
自動的に放電され電圧を揃えられます。
基板にワニ口を止められる凸部がないので、放
電したい電池端子に短いリード線をハンダ付け
してそこへ電子負荷装置からの配線を接続して
放電しました。

5本の電池の電圧をそこそこ揃えて再組み立てして充電器にセットしたら長く充電
されケースの一部も充電による発熱が感じられました。残量スイッチを押したらし
っかり満充電になっていました。

今回の対応で分かったことは、電池価格=電池品質ってことです。安価な電池パッ
クに使われる電池は品質にバラ付きのあるB級電池を使って組み立てられているか
らだと思います。やはり有名所の電池は、それぞれ良品を選別して検査を通った電
池だけで組立てているので、手間がかかる分高価になると思います。勿論、制御基
板の優劣もあると思いますが。

長く使いたいなら国産メーカー品(機器含む)、利用頻度が少なく安価で済ませた
いなら中華品かなと思いました。

最後に、
18650などのリチウムイオン電池は誤った使い方をすると発火するこ
とがあり、家1軒を全焼させるパワーを持っています。


絶対に安易な考えで取り扱わないようにしましょう。



均一に放電させていたら、1本の電池のみどうゆう訳か0Vになってしまいました。
リチウムイオン電池は2.5V以下になると著しく劣化してしまいます。残量もゼロ、
充電もまた即完了になってしまいました。

再度分解してセル電圧を測ると5本中4本は4.0V台でほぼ満充電、1本だけが0Vと言
う状態でした。

組電池なんで分解することは大変そうなので、1セルだけの充電をどうするかと考
えていた時ふと目線の先に飼育しているインコのとまり木の予備、ちょうど直径が
電池と同じ18mmです。これでダミー電池を作れば18650充電器で1セルだけ充電出来
るかな?

丸棒を端子部含めて65mmになる様にカット、両端は4mmのタッピングで丸端子を固
定してダミー電池の完成です。

組電池の基板から、対象セルの端子を探してリード線を接続。ダミー電池側の線と
繋げて充電スタート。最初0Vでしたが、エラーになることもなく普通に充電がスタ
ートしました。最初は低電圧だったのかニッケル水素電池として認識されていまし
たが電圧が上がったらリチウムイオン電池として再認識されました(^^)

0Vだった電池も4.0V台に復活しました。ただ、劣化はしていると思うので・・・ま
たダメになるかも知れません。

0Vとなったセルの正極端子付近が腐食していま
した。部分負荷によりガス噴出等があったのか
も知れません。
木製ダミー電池を経由して組電池を分解するこ
となく単セル充電が出来ました。
0Vから満充電までに入った電気の量は2500mAh
でした。電池自体の容量は2000mAなので、容量
詐称は無さそうです(^^)



管理人の様な素人には分かりづらいので電圧に
よる電池容量表をネット情報を元に作ってみま
した。

0.1V単位で容量が変わるんですね。

直列5本パックの電池の電圧は、4.1Vx5本=
20.5Vが最大電圧、3.0Vx5本=15.0Vが最低電圧
ですね。

このことから単純に半分の17.75Vが50%になり
そうですが、表を見ると60%って感じです。単
純に電圧が半分なら容量も半分・・・って訳で
はない様です。
ダミー電池も作りましたが、単セル専用充電モ
ジュールがあることを知り買ってみました

買ったのは指先程度の大きさの充放電タイプで
電池容量に応じて4つのLEDが点灯します。

配線は自分でハンダ付けする必要があります。
やってみて・・・

完全放電(0V)してしまった電池は、一応満充電(4.1V)まで出来ましたが、正常な
電池と比べると、自己放電が多くなっている様で先に3.0V以下になるとバック電池
の過放電保護が働いて残り4本は正常だけど端子電圧は0Vとなってしまう様です。

放電は過充電状態でなら必要ですが、セルバランスを取るには全て(単セル毎)満
充電の4.1Vに揃えるほうが効率的でした(^_^;)

もしセル不良が見つかって自分で交換してみようと思っても、スポット溶接機等、色々な道工具投資が必要になりますので、電池を組み直して再生販売(古物商許可
申請が必要となる場合あり)
でもしない限り電池パックを買った方が安いです(^^)

個人用途に限り今回買った単セル充電器投資程度なら良いかなと思いました(^^)

電池パックを廃棄する前に、完全放電させて単セル全てが2.5V以下(パック電圧
12.5V以下)になっていることを確認して、更に端子部をテープ等で絶縁処理して
から各自治体の廃棄方法に準じて行いましょう。