ブレーキをかけると左にハンドルが取られる様になりました。まだ強くは無い けれど、放置すればスピンなど危険を伴いそうなので各キャリパーのシール交 換を行うことにしました(^^) ピストンのシール関係は、10年手を加えていません。まぁ油漏れもないし、 フルードも定期的に交換していたし。(メーカー推奨交換時期なし(自家用車)) ただ、前回のパッド交換の時、ピストンの戻りがイマイチで、若干引きずり感 もありましたが、こんなもんかなーみたいな感じで今迄・・・^^; ディーラーに出すとまた数万円の出費になりそうなので、今後の経験の為にも 自分でやっちゃいました(^^) ※ブレーキ装置は重要保安部品で命に直接係る部分でもあるので、安易な思い 付きで行うのはお勧め出来ません。自信が無い場合は迷わずディーラ等の整 備工場に作業を依頼して下さい。数万円の費用はかかりますが、命と天秤に かければ、安いと思います。 |
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新たに買ったツールはいつものアストロプロ ダクツの物。いずれも台湾製です。台湾製は 中華製より品質は上らしいですね。 上は、ブレーキホースを摘んでロックする物 で作業中の不要な液垂れを防止するもの。樹 脂製なので安いです(^^) 使用頻度も少ない と思うので、使い捨て感覚で^^; ラインクランププライヤー M ¥ 550 対応ホース径 Φ30mm 下はOリングを抜くツール。歯科医の道具に 似てますね^^; 奥まったとこにハマっているOリングを外す には、こう言うツールがあると便利です。 2PC シールピックセット ¥ 390 |
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日産純正部品です。今回の主役です(^^) 会社近くにある日産部販によく行ってたんで すが、途中で「素人出入り禁止」となってし まったので、近くのディーラーで注文してい ます。送料もかからないし値引きもあるし良 いですよ(^^) ただ営業も寄って来るのが… ですが>< シールキットを購入します。キャリパーシー ル交換に必要なものが一式入っています。ブ リーダーキャップまで(^^) グリースは2種入っていて、ラバーグリース と、スライドピンに塗るグリース(名称不明 )まぁオマケ程度の量なので、ちゃんとしよ うとすると、足りないと思います。 今回は、添付グリースは使用せず、手持ちの シリコーングリースで組みました。 ラバーグリス≒シリコーングリースなんで使 えます。でもラバーグリスの方が安価なので 今回のように多く使う所にはシリコーングリ ースは勿体無いです^^; 今度買っておこうかな?ラバーグリース(^^) どちらもゴム類を傷めないグリースです。 通常のグリースだとゴム類を痛めますので、 絶対に使用してはダメです! それと、キットには入っていない銅ワッシャ ーが別途必要になるので、別に準備しておき ます。 上:フロント・シールキット(左右分入) AY-600-NS043 ¥3,801 中:リヤ・シールキット(左右分入) AY-620-NS031 ¥4,505 下:フレアナットのガスケット (銅ワッシャー) 46237-A4600 8枚(2枚x4輪) ¥1,432 参考サイズ 外径15mm 内径9.5mm 厚み1mm なぜ部品点数の少ないリヤ側のキットの方が が高いのかはナゾです。 自分でやれば、この出費で済みます(^^) 今回は特に日産に見積もりは依頼しなかった ので、正確な金額は不明ですが、平均価格で みると4輪で\34,00前後みたいですね。 |
ではザッとですが、作業手順を・・・大分端折ってますが^^; 作業しながらの撮影は大変なんですよぉ~^^; フロントもリヤも作業手順は同じです。 |
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まずは車両を上げてタイヤを外しちゃいます。 1輪ずつでも出来ますが、結構ハードなんで メチャメチャ疲れると思います^^; 道具が揃っていれば、是非車両全体を上げて しまいましょう。安全だし試運転も出来るし (^^) |
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タイヤを外したら、ホイールナットでディク ローターがグラつかない様に固定しておきま す。 自分のエルは、フロントのローターがグラグ ラなんです。普段はホイールに挟まれている ので問題無いんですが、タイヤを外すとグラ つくので固定する様にしています。 ローターがグラつくと、最後でゲッ!ってこ とになるので^^; まっ保険ですね。 詳細は、過去記事を探して下さい^^; |
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ブレーキホースをラインクランププライヤー で挟んで縁を切ります。 この時なるべくキャリパーに近い所で遮断し た方が後々エアー抜き作業が楽になります。 ただ、ブレーキホースが劣化によりヒビ割れ している場合は、使えません。ブレーキホー スも交換しましょう。 |
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ブレーキホースは曲げや引張に弱いので、変 なテンションがかからない様に吊っておきま す。 今回はフルードラインを遮断しているのでフ ルード漏れはありませんが、フルードライン を遮断しないと、この状態でもタラタラと垂 れて来てしまいます。その場合は、フルード が空にならない様にリザーバータンクの液面 をチョクチョク確認しましょう。 |
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スライドピンボルトを抜きます。エルの場合、 フロントは下側、リヤは上側のボルトだけを 外します。反対側はトルクメンバーに挿さっ ているだけなので抜かなくても大丈夫です。 ちなみに、リヤはサスロッドにスライドピン ボルトが干渉してしまい抜けないので、頑張 ってトルクメンバーも外さないとダメです。 トルクメンバー取付ボルトはメチャメチャ固 いです。フロントは固過ぎて危険を感じたの で諦めました^^; まっフロントはトルクメ ンバーを外さなくても出来るので良いんです けどね(^^) |
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キャリパーを外したら、ディスクパッドと上 下のパッドリテーナーを外します。 |
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ピストン部はこんな感じ。 結構汚れています。 |
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ピストンの周りあるリテーニングリングの合 口を見つけて小さなマイナスドライバーで内 側に縮める感じで外します。少々コツが必要 です。 |
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ピストンを抜くには圧縮エアーをフルード口 から吹き込んで押し出すのが定番です。 圧縮エアーが無い場合、ブレーキラインにつ ないでブレーキを何度が操作して油圧で抜く ことも出来ますが、抜き切ってしまうと大量 のフルード流出とエアーが混入してしまうの で、注意が必要です。ピストンの大半が抜け れば、ピストン先端部をプライヤーで掴めば 抜くことが出来ます。 圧縮空気の場合、フルードミストが散るので、 目に入らないように保護具を着けましょう。 あとピストンの下に木っ端などを入れてピス トンとキャリパーの破損を防止します。 |
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ピストンが出るとこんな感じになります。 くれぐれも指を挟まないように・・・ どうなるか・・・きっと超痛いと思います。 木っ端にクッキリとピストンの凹み跡が付い ていましたから^^; |
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ピストンが外れました(^^) フロントはデュアルピストン、リヤはシング ルピストンです。 ちなみに、工賃単価はピストン数が多くなる 程高くなります。よってフロント側の交換費 用の方が高くなるみたいです。 |
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ピストンシールとピストンブーツを外します。 シリンダー内面に傷を付けないように。 この後、洗います。 キャリパーは水洗い。ピストンシールとピス トンブーツの入る溝は特に念入りに。もし錆 があったらワイヤーブラシなどで取っておき ます。 洗い終わったらウエスで軽く拭いてエアーブ ローで完全に乾燥させます。エアーが無いと きは自然乾燥で十分乾燥させて下さい。 ピストンは、パーツクリーナーを吹いてウエ スで拭きますが、必ず円周方向にだけ拭きま す。縦に拭くとフルード漏れの要因となりま す。 |
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綺麗になりました(^^) このピストンには、指に引っかかる感じの傷 があったので、3000番の精密研磨シート で研磨しておきました。この時も円周方向に だけ研磨します。 |
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トルクメンバーの上下にあるスライドピンブ ーツを交換します。 この時、ディスクパットや関連部品も掃除し ておきます。 パッドシムには鳴き止めグリースを、パッド リテーナーのパッドが当たる面には、シリコ ーングリースを塗っておきます。 |
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ピストンシールにラバーグリースを良く塗っ てから、シリンダの溝にはめます。 ピストンシールがねじれていないことを指先 で確認します。 ピストンブーツの溝、シリンダー内面にもラ バーグリースを塗ります。動きを良くする為 もありますが、防錆の目的もあるのでしっか り塗ります。 |
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ピストンブーツの外周・内周にラバーグリー スを塗ってピストンの溝にはめます。ブーツ には裏表があるので間違わないように。裏面 は平らな面が多くなっています。 ピストン外周にもラバーグリースを塗ります。 |
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ピストンをシリンダーボディーに入れます。 最初だけ固いですが、ピストンを押しながら グリグリするとスコンって入ります。 ピストンを半分位い入れたらピストンブーツ を下げて溝に入れます。 自分はこの方法が楽でした(^^) |
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ピストンをゆっくり最後まで押し縮めてから リテーニングリングをはめます。次回の整備 性を考えて、リングの合口が上になる様にし ます。 合口に段差がないことを確認します。段差が ある場合きちんと入っていませんので、ピス トンブーツがちゃんとはまっているか確認し て再度トライしましょう(^^) |
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スライドピンボルト先端のゴムを交換します。 ピンの部分にはラバーグリースを塗っておき ます。 もう片方のスライドピンボルトにはゴム部品 はありません。 |
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フルードラインを接続します。 ユニオンには回り止め用のピンがあるので、 シリンダーボディーの穴に入れてから固定し ます。 ユニオン両側に銅ワッシャーが入りますので 入れ忘れない様に。 銅ワッシャーは構造上再利用出来ません。 1輪で2枚使うので、4輪整備するには8枚 必要になります。 サイズが合えば純正品じゃなくてもOKです。 ※写真は取り付け状態の紹介用なので、まだ 締まっていません。 |
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組み立てが終わったらフルードラインの遮断 を解除してからシリンダーボディー内のエア ー抜きを十分に行います。 今回4輪のキャリパーシール交換で使用した ブレーキフルードは、約0.5Lでした。 フルードラインを遮断しないで行うと、もっ と必要になると思います。 |
今回の整備で異常だったのは、右のリヤでした。完全にピストンが固着して いてエアー圧ではピストンが抜けず、フルード口からプラスドライバーを入 れてハンマーでコツコツ叩いて抜きました。 引きずりもあったのか、発熱 によってピストン先端が黄金色になっていました。 右側のブレーキ力が弱かったので、正常に効く左側が軸となって左へ流れる 状態になっていたと思います。 自分のは4WDなんで、2WDの状態でもフロント軸には回転抵抗がありま す。なので、2WD車の様にタイヤが浮いた状態でタイヤを回した時、クル クルクルーなんては回りません^^; それでも、交換前に比べると軽く回る 様になりました。ピストンの戻りが悪かったんでしょうね^^; |
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リヤはトルクメンバーを外す必要があります。 |
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右リヤのシリンダーボディーです。ココだけ 錆が酷かったです。一度もメンテしていない 所なので、ピストンブーツが破けて水が入っ たんですかね? |
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右リヤのピストンです。これは酷い>< 交換か?! |
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ワイヤーブラシで擦って水洗いをしました。 完全に錆は取れませんでしたが表面はかなり 滑らかになりました。 錆止めの為にもラバーグリースをタップリ塗 っておきました(^^) |
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頑張ってここまで綺麗にしました。 段付きは無かったので、多分大丈夫でしょう。 口部分の焼き色が凄いでしょ^^; 正常なピ ストンはシルバー色です。 |
締め付けトルク表 | |
フロント | |
スライドピンボルト(上下共) | 62.8~84.3N・m(6.4~8.5kg・m) |
ユニオンボルト | 16.7~19.6N・m(1.7~1.9kg・m) |
リヤ | |
トルクメンバー取付ボルト(上下共) | 72.0~97.0N・m(7.4~9.8kg・m) |
スライドピンボルト(上下共) | 37.0~49.0N・m(3.6~4.9kg・m) |
ユニオンボルト | 16.7~19.6N・m(1.7~1.9kg・m) |