バッテリー充電



セキュリティ装置などがあると、エンジンを停止していても電気は消費されています。

今回、バッテリーの点検を行ってみました。

エンジン始動中、オルタネータが発生した電力の殆ど
は車両側の電気系統に送られて消費されます。

余った電力がバッテリーに充電されるので、「充電」
と言うよりは「補充電」と言った感じになります。

夜間はライトで多くの電力を消費するので、日中の方
が余る電力は多くなりそうですね(^-^)
夜間ばかり乗る人は、充電力が落ちてしまいます。

補充電なのでちょっと走っただけでは、充電効果は期
待出来ません。なので通勤とかで毎日乗っていれば、
チリも積もれば何とやらで良い状態を保てるけど、自
分の様なサンデードライバーは、平日減った分の電気
を土日少し乗っただけで充電することは出来ず、結果
ドンドンバッテリーが消耗して行ってしまうのです。

そこそこ充電効果を上げるには、日中に2時間位い連
続で走らないとダメらしいです(^^;)

2時間って言ったら結構な距離だよなー(^^;)

日産純正「PITWORK」のGシリーズ サイズは、80D23R
です。
このバッテリーで、2個目です(^^;) メーカーが唱える寿命は2年
と言われていますが、走行環境によってかなり幅がある様です。
ちなみに、このバッテリーは、ケースの刻印から新神戸電機のOEM
みたいです。
まず、バッテリーの充電状態を把
握します。

テスターではバッテリーの電圧し
か把握出来ず、各セルの状態把握
は出来ません。

そこで、比重計を用いて各セルの
電解液比重(濃度)から、充電状
態を把握するのが正しいようです。
但しシールド型は比重が測れませ
んので、電圧値で総合的に判断す
るしかありません。
電解液の比重(20℃)

 1.280 良好     100%

 1.235 若干放電傾向   75%
 1.190 使用限界    50%

 1.145 充電必要    25%
 1.100 完全放電    0%
左記は、電解液温20℃の時であ
り、温度によって補正計算をする
必要がある。

S20=St+0.0007(t−20)
St:測定時の比重値
t:測定時の電解液温


実際には、電解液の温度を測るの
は危険を伴う為、バッテリー周辺
の温度で良いと思います(^^;)
バッテリーのオープン電圧と電解液比重の関係

電解液の比重を測定することで、だいたいの電圧を知ることが出来ま
す。

オープン電圧:充電打切り(エンジン停止)1時間後の電圧

OPV=(比重値+0.84)×6セル

計算例
 完全充電のバッテリー
  (1.280+0.84)×6=12.72V
 完全放電のバッテリー
  (1.100+0.84)×6=11.64V

余談ですが、この式を変形させると、電圧から液比重を求めることも
出来ますよね(^-^)

比重値=(OPV−5.04)÷6セル

実際に比重を測定してみると、1.240位でした。そこで、補充電
をしてみることに。

充電するには、当然充電器が必要となりますが、機種選定をしっかり
しないと、バッテリーに悪影響を及ぼします。

一番重要なのは、充電電流です。バッテリーのサイズによって、適正
な充電電流値が定められていて、それ以上の電流で充電すると、急速
充電となり、バッテリーに著しいダメージを与えてしまいます。

ここから暫くクドクドと書きますが、知っていて損することはないと
思うので読んでみて下さいね(^^;)

まずはじめに、バッテリーに表示されている、「80D23R」など
の文字の意味ですが、下の様な意味になっています。

80 : 性能ランク(単位はなし)
     よく、これを80Aとか思っている人が多いみたいですが
     あくまでもランク表示です。数字が大きいほど余裕がある
     と言うことになります。

D  : バッテリーの短側面の寸法です。(幅と高さ)
     A)127×162mm
     B)129×203mm
     C)135×207mm
     
D)173×204mm
     E)176×213mm
     F)182×213mm
     G)222×213mm
     H)278×220mm

23 : バッテリーの長さ寸法(cm)の概数を表しています。
     この場合、23cmと言うことになります。

R  : プラス端子の向きを表しています。
     
R)右側
     L)左側

この表示から、D〜以後の表記が同じであれば、性能ランクを変更す
ることが可能と言うことが分かります。電装品を多く使う場合、純正
装着のバッテリーより上のランクに交換すると良いと思います。
充電電流と充電時間

充電方法には、通常充電と急速充電があります。
急速充電とは、エンジン始動が出来るまで、短時間で応急的に充電す
る方法で、バッテリーを満充電することは出来ません。
一方普通充電とは、決められた電流で数時間かけてゆっくり充電する
方法で、満充電にすることが出来ます。

◆普通充電
  充電量=充電電流(A)×充電時間(H)
  充電電流:バッテリーの定格容量の1/10

  定格容量は、箱やメーカーカタログなどに「**Ah」として記
  載されています。
  自動車用バッテリーの場合、5時間率で表示されています。
  今回充電するバッテリーの定格容量は、52Ahでした。

  この例から、52Ah÷5時間=10.4Aの電流を5時間流し
  続けられると言う意味になります。
  
  55Wのヘッドランプを点けたままにしちゃうと、13時間後に
  はなくなっていると言うことになります(^^;)
  消し忘れには注意しましょう。

  話を戻して・・・(● ̄▽ ̄●;)ゞ

  今回は、52Ah容量のバッテリーなので、充電電流は、52÷
  10で5.2Aとなります。
  充電にはこの数値より少ない電流で充電しないといけません。

  充電時間は、比重を測定して放電量から時間を決めます。
  実際には、放電量に対して1.2倍の充電量を確保出来る時間で
  行います。

     
電解液比重(20℃)     充電時間(H)

  1.240以上 1.260未満     3
  1.220以上 1.240未満     4
  1.200以上 1.220未満     5
  1.180以上 1.200未満     7
  1.160以上 1.180未満     8
  1.140以上 1.160未満     9
  1.120以上 1.140未満    10
  1.120未満            12

◆急速充電
  充電量=充電電流(A)×充電時間(H)
  充電電流:メーカー指定値 最大定格容量の値以下
  充電時間:最大30分
  ※液温の上昇に注意 温度上限45℃

  例
   52Ahバッテリーの場合、52A以下で30分
所有している充電器は、セルスター製のSV−50Tです。
出力電流は、5Aなので、上記で計算した充電電流5.2A以下なの
で適正に充電出来ます。適合バッテリーにも52Ahは入ってます。

通常フルオート式は、充電電流などをモニターして、プログラミング
されている充電電流まで下がると自動的に充電をやめるものです。し
かし、内部電極が劣化するにつれ、充電電流は下がる傾向になるので
満充電になる前に充電が完了してしまいます。(経験談)
しかし、この充電器は保護回路的には色々とモニターはしていますが
充電を完了するのは、タイマーによるので設定した時間に達しないと
充電はストップしません。よって、じっくりと充電が出来ます。勿論
過充電防止回路があるので過充電にはなりません。

この様に、所有しているバッテリー容量に合った充電器を選択するこ
とが重要です。
箱の絵表示に捉われず出力電流を確認して購入する様にして下さい。
充電中〜
充電は、屋外の風通しが良い場所
で、全てのキャップを外して行い
ます。
充電中は水素ガスが発生します。
オルタネーターより高い電流で行
うので、ガス抜きが間に合わず爆
発するのを防ぐ為です。
オルタネータでの発電電流より小
さい電流であれば、車載のままキ
ャップも取らずに充電することは
可能です。
充電が完了したら、1時間はその
まま放置してクリップも外さない
様にします。
発生し続ける水素ガスに引火させ
ない為です。
便利グッズの紹介1

バッテリークランプです。
エルグランドの様に高い位置で狭
い場所にあるバッテリーを外すの
に重宝します。でも落下には十分
注意して下さいね。
┗(-_-;)┛オ・・オモイ…
便利グッズの紹介2

コインドライバーです。こう言う
便利なものがあるんですねー(^^)
今までコインやワッシャーで開け
てたんですが、固く閉まっている
と樹脂キャップの溝をなめてしま
って・・・
これならしっかりとはまって力を
掛けられます。v(*'-^*)b
便利グッズの紹介3

テスターを持ってない人はこれが
いいかも〜。
大体の電圧を目安表示してくれ、
オルタネーターの簡易診断もして
くれます。

実際のレポートはコチラから
pdf 613kb



整備マニュアルに従った点検手順はコチラ